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ITS-90とIPTS-68
海水の温度は圧力、塩分とともに海水の状態を調べるための最も基本的な要素です。
温度の定義は実は何度か変わっています。現在温度というとITS-90(International Temperature Scale of 1990 : 1990年国際温度目盛)で定義された値になります。しかし海洋観測で用いる塩分や密度など一部の算出式は、ITS-90以前のIPTS-68(International Partical Temperature Scale of 1968 : 1968年国際実用温度目盛)が使用されていた頃に生まれたものです。
このためそれらの計算式を使用する場合は、ITS-90の温度$t_{90}$をIPTS-68の温度$t_{68}$に換算して使用する必要があります。この温度の換算には、海洋の水温の範囲においては下記の換算式1を用います。
$t_{68} = 1.00024 \cdot t_{90}$
$t_{90} = 0.99976 \cdot t_{68}$
なお上記式における換算精度は、-2~40℃において0.5×10-3℃以下です。
IPTS-68とIPTS-48
IPTS-68以前はIPTS-48が使用されており、-2~30℃の範囲では下記の換算式2を用います。
$t_{48} = -113586.36365+\left( 113586.36365^{2}+227272.7273 \cdot t_{68} \right)^{0.5}$
$t_{68} = t_{48}-4.4 \times 10^{-6} \cdot t_{48} \cdot \left( 100-t_{48} \right)$